老人ホームのレクリエーションって何のためにあるの?意外に知らない2つのメリット

pixta_17676758_m

多くの有料老人ホームやデイサービスでは、高齢者が集まって楽しみながら交流を深める「レクリエーション」が実施されています。

しかし、「このレクリエーション、何のためにやっているのだろう?」と思ったことはありませんか?一見すると、ただ遊んでいるだけのようにも映り、「この時間をリハビリに充ててほしい」「体力が落ちているのだからゆっくりさせてあげてほしい」と思われる方もいることでしょう。

しかし、このレクリエーション、特に老人ホームでの暮らしにおいては重要な役割を果たしています。今回は、老人ホームのレクリエーションについて掘り下げていきます。

頭も、体も、指先もフル活用!老人ホームのレクリエーションの種類

pixta_9149023_m

では、まずはどのようなレクリエーションが各施設で実施されているか見ていきましょう。

まず、身体を動かすレクリエーション。風船を落とさないようにする風船バレーや、鬼が出した条件に当てはまる人が席を移動するフルーツバスケットなど、大勢で実施するものが中心ですが、お手玉など一人でできるものもあります。

次に、頭を使うレクリエーション。オセロや将棋などのボードゲームや、クイズ・なぞなぞです。身体の自由があまり利かない方でも、楽しむことができます。

そして、指先を使う種類のレクリエーション。折り紙や塗り絵、手芸など、高齢者の方が小さい頃に慣れ親しんだ遊びです。男性よりも女性に好まれる傾向があります。作ったものは家族にプレゼントすることも可能です。

最後に、音楽を使ってのレクリエーション。カラオケで昭和の名曲を歌ったり、童謡の合唱・輪唱などもあります。施設によってはのど自慢大会や簡単な楽器の演奏をおこなうところも。

このように、施設側では利用者全員が楽しめるように様々な種類のレクリエーションを用意しています。

しかし、いったい何のために、レクリエーションをするのでしょうか。

「レクレーション」は脳や身体、そして精神を充実させる!

pixta_9149025_m

多くの老人ホームがレクリエーションを取り入れている理由は、大きく分類して2つのメリットがあるからです。

脳機能や身体機能を活性化させる

まず、クイズなど頭を使った遊びや、折り紙などの指先を使った遊びをすることで脳が活性化し、認知症予防あるいは、その進行を食い止めることができると言われています。

また、脳だけでなく体の健康を維持する効果もレクリエーションには期待できます。いくら身体機能が衰えているとはいえ、まったく体を動かさなければ筋力は衰える一方。このように、過度に安静にすることで身体機能がさらに衰えることを廃用症候群と言います。「骨折が原因で入院し、病院から出てきたらADL(日常生活動作)が低下していた」といった現象が起きるのもそのためです。

レクリエーションでの軽い運動や脳トレは、高齢者の脳機能・身体機能の低下を食い止めるのです。

認知症の予防・改善についてはこちらの記事もどうぞ
認知症になる前に。日常生活からできる6つの予防法

高齢者のQOL(生活の質)を上げる

老人ホームに入居した高齢者は、それまで一緒に暮らしていた家族や、住んでいた地域と少なからず切り離されています。老人ホームに入っても周りと打ち解けられず、孤独を感じる方も少なくありません。

そんな方が周りの入居者と交流し、再び社会的活動の楽しさを知るきっかけとなるのが、老人ホームでのレクリエーションなのです。むしろ、それまで引きこもりがちだった人にとっては、老人ホームは多くの仲間とふれあうことができる機会。施設に入ってレクリエーションをする中で、今までよりも生き生きとした表情を見せるようになった方もいます。

高齢者自身が嫌がることも。レクリエーションの落とし穴

pixta_17638865_m

ただし、このようなメリットがある一方で、家族にとっては気になる点もあります。それは、高齢者がレクリエーションを嫌がる場合があること。

レクリエーションでは前述した通り、折り紙や合唱などをしますが、それがまるで「幼稚園」のように感じられ、自尊心が傷つく方もいるのです。たとえ認知症になったとしても自尊心がなくなるわけではなく、実際、レクリエーションに抵抗を感じてデイサービスを嫌がる方もいます。

また、老人ホームに入る方はそれぞれ要介護度が異なりますので、ある人にとっては適切な難易度のレクリエーションが、他の人にとっては非常に簡単でバカにされているように感じられたり、あるいは難しすぎてやる気を失わせたりするのです。

施設を訪問する際にはレクリエーションも見学してみて、それに高齢者が露骨に嫌そうな顔をしていないかチェックしておきましょう。

デイケア・デイサービスについてはこちらの記事もどうぞ
【嫌がったときの対処法付き】デイケア・デイサービス利用の手引き

おわりに

老人ホームは、病院ではありません。「ホーム」という名前が表すように第2の「家」でもあり、そこで寝食を共にする入居者は“家族”とも言える存在になります。

レクリエーションはそんな人々をつなげる重要な機会。もしかすると高齢者自身もその家族も「幼稚」と感じるかもしれませんが、脳や身体機能を活性化させ、生活の質も上げるこの取り組みを好意的に捉えてみてはいかがでしょうか。