リハビリの専門職が手厚くサポート。「介護老人保健施設」は“在宅復帰”の強い味方

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現在、高齢者のケアや看取りを行う、介護保険による施設サービスは、「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」の3つが存在します。

3施設合計の病床数(=定員数)は約95万床に達し、少子高齢化に合わせてその数も年々増加傾向にあります。入所できるのは比較的重度の要介護者に限られますが、施設の特徴や入所できる条件などはそれぞれ異なります。

今回は、とくに「介護老人保健施設」にスポットを当て、どのような施設なのかご紹介します。

介護老人保険施設(老健)は、「機能回復」のための「短期入所」施設

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介護老人保健施設、通称「老健(ろうけん)」は、主に、長期の入院生活などを終えた人の中でそれ以前の日常生活へ復帰できる見込みのある人が機能回復を目的に入所する施設です。

老健でおこなわれるサービスは大きく3種類あります。

ひとつ目は在宅で介護を受けている高齢者が数日間、排泄や入浴、リハビリ、レクリエーションを受けられる「ショートステイ」。このショートステイは最大30日まで受けられます。

ふたつ目は高齢者が日中、送迎付きの車で施設に通ってリハビリを受ける「デイケア」です。後ほど説明しますが、老健にはリハビリの専門職が駐在しているため、質の高いリハビリを受けることができます。

そして3つ目が、老健への入所です。施設内でおこなわれるサービスは“リハビリ”がメインで、訓練終了とともに、自宅へ戻れるようにプログラムが設定されています。そのため、終身的な入所が予想される特別養護老人ホームとは異なり、3ヶ月ごとに退所するかどうか検討会議がおこなわれ、十分に機能が回復されたと判断された場合は退所しなければなりません。

施設系サービスなので24時間体制で介護スタッフが常駐しており、医師・看護師によって万が一のときの態勢も整っています。リハビリに特化していることと、入所期間が一定であること以外の生活援助や身体介護については特別養護老人ホームと大きな差はなく、費用も通常の有料老人ホームと比べて安価です。

老健の入所基準は要介護1以上。要支援は入れない

老健の入所条件は、
・65歳以上の高齢者で、要介護1以上であること(要支援1・要支援2は入れない)
・医療観察下に置く必要のない、健康状態が安定していること

です。

これらに加えて、厚生労働省が定める、特定疾病(パーキンソン病や関節リウマチなど)に罹患していれば40~65歳でも入所が認められる場合があります。

また入所希望者が多い場合、特別養護老人ホーム(特養)と同様に要介護度や介護の必要性、資産や世帯年収といった経済状況が入所の優先度に加味されることがあります。

老健のメリットは、専門職による医療やリハビリを受けられること

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老健では、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復を目的としたリハビリの専門職である理学療法士、レクリエーションや行動補助などを通して心身のリハビリをおこなう作業療法士らが高齢者の機能回復の補助をします。

このようにリハビリの専門職や医師・看護師のサポートを十分に受けられる点が、老健のメリットだと言えるでしょう。

ただし先にも説明したとおり、長期にわたる入所は原則として認められていません。4名以上の部屋の多床室がほとんどで、プライバシーが完全に守られているわけではありません。

したがって、老健は“終の棲家”としての「ホーム」と言うよりも、機能回復のための「病院」という捉え方をするほうがよいでしょう。

おわりに

介護が必要になった家族に機能を回復してもらうための施設、介護老人保健施設(老健)。特養や有料老人ホームとは違うアプローチで、あなたの介護を支えてくれるでしょう。少しでも気になったら、地域の老健の窓口に相談してみてはいかがでしょうか。