【ケアマネジャーに聞く】本当に満足できる有料老人ホームの選び方

超高齢化社会と呼ばれる現代では、自宅で高齢のご家族と暮らしている方も多いはず。しかし、年齢を重ねるごとに、体が衰弱したり認知症が進行したりすることで、自宅での介護が難しくなっていくこともあります。

そのようなとき頼りになるのが、「有料老人ホーム」や「特別養護老人ホーム」などの介護サービスです。

老人ホームは、介護士や施設スタッフが24時間体制で見守りと介護をおこなってくれます。しかし入居するご家族にとっては環境が大きく変わり、精神的にも肉体的にも負担を感じてしまうケースも少なくありません。

そこで今回は、高齢者施設の状況に精通している現役のケアマネジャー(介護支援専門員)に、ストレスなく安心して暮らせる有料老人ホーム選びのポイントを伺いました。

そもそもケアマネージャーってなに?

ケアマネジャーとは、介護保険を利用者の介護計画(ケアプラン)を作成する専門職です。介護保険利用者が用意できる資金や、ご本人の要望を聞いたうえで、どのような介護サービスが適しているのか、どの事業者を選ぶのか、利用できる金額はいくらまでなのか、という介護計画(ケアプラン)を作成してくれます。

自宅介護から有料老人ホームへの入居を検討する場合、まずは普段お世話になっている「居宅介護支援事業所」のケアマネジャーに相談することからスタートするとよいでしょう。

※ケアマネジャーからサービスを受けたいときには、地域の役所にある福祉課や地域包括支援センターに相談し、近隣にある居宅介護支援事業所に利用の申し込みをおこないます。

それでは、どのような視点で老人ホームを選べば満足できる施設が見つかるのか、ケアマネジャーから聞いてみましょう。

ケアマネジャーが考える、施設選びで大切な3つのポイント

今回お話を伺ったのは、京都在住のAさんと、千葉在住のBさん。ふたりのケアマネジャーによると、満足のいく老人ホームを選ぶには以下3つのポイントが大切だといいます。

・本人・家族の希望に優先順位をつける
・介護スタッフの配置・人数を確認する
・医療面の受け入れ態勢を確認する

それぞれ詳しく解説していきましょう。

◎本人・家族の希望に優先順位をつける


<Aさん>
“私がケアプランを作るときにはご本人・ご家族からしっかりと意見を伺います。個室かそうでないか?自宅から近いかどうか?などの条件を挙げ、「絶対に譲れない点」「少しは妥協できる点」など優先順位をつけるようにします。”

最初に確かめておきたいのは、施設を選ぶ際に重視すべきポイントです。自宅からの距離、建物や設備の新しさ、予算など、あらゆる要素を考えていくと一概にベストと言える施設は見つけにくいものです。そのようなときに、何を優先させるのか?逆に気にならないものは何か?など優先順位を決めておくことで、施設選びの失敗を防ぐことができます。

◎介護スタッフの配置・人数


<Bさん>
“入居先を探しているときは、介護職員ひとりあたり、何人の入居者のケアをしているかをチェックしておいたほうがよいでしょう。施設の人員に余裕がある場合とそうでない場合では、介護の量と質が大きく変わってきます。”

「介護付有料老人ホーム」の場合は、入居者3名に対して1名の介護スタッフを配置することが介護保険法で定められています。しかし欠勤が出た場合や、慢性的に人手の足りない夜間時には、この決まりが順守されていない可能性があります。

人員に余裕があればスタッフの負担が減り、よりきめ細かいサービスが期待できるでしょう。施設を見学する際は、ぱっと見渡してスタッフの人数が足りているか、忙しく余裕がなさそうな人がいないかなど、現場の雰囲気を確認しましょう。

◎医療面の受け入れ態勢


<Bさん>
“高齢者の中には持病を抱え、定期的に病院に通わなくてはいけない方がいます。施設によって受け入れ可能な医療態勢が異なるので、ご本人が現在抱えている病気に対応できる施設を選ぶとよいでしょう”

有料老人ホームには基本的に入居制限がありませんが、難病の患者など高度な医療を必要とする人は入居できない場合もあります。最近は医療機関と提携して病院の近くに開業する老人ホームや、定期的に訪問看護をおこなう老人ホームも目立つようになりました。入居する施設がどこまでの医療を保障してくれるのか、きちんと確認しておくようにしましょう。

立地や設備などハード面から見る、老人ホームの選び方

老人ホームを選び際に大切な3つのポイントをおさえたところで、次は立地や設備など施設のハード面について考えてみましょう。入居者が安心して暮らしていくために、以下の点を確認すると上手な選択ができるそうです。

・立地(駅や自宅からの距離)
・建物・設備の新しさ
・個室の広さ
・共有スペースの広さや雰囲気

そのほかに、日当たりや、騒音が気にならない場所かどうか、防犯設備や災害に耐えられるかどうかも重要視したいポイント。食事やレクリエーションの内容も見逃せないところです。


<Bさん>
“建物が新しい場合は注意が必要です。そのような施設は開業して間もないことが多く、仕事の規律やノウハウがスタッフに根付いていないことがあります。結果、質の高い介護サービスが受けられないこともあるのです。
建物の真新しさに惑わされることなく、長年営業を続けている実績のある施設を選んだり、利用者の評判を判断材料にしたりしながら、施設を選んでみましょう”

施設を選ぶ際は、立地や料金、建物などハード面で比較してしまいがちですが、スタッフの技術や仕事に対する姿勢などソフト面にも注目すると間違いのない選択ができそうです。

◎ハード面を調べるなら、有料老人ホームの比較・検索サイトがおすすめ

設備や立地など、ハード面の比較には大きな手間と時間がかかってしまいます。そんなときには老人ホームの比較・検討サイトを使ってみましょう。
老人ホームの比較検討サイト「探しっくす」は全国の有料老人ホームの3分の1を掲載しています。エリアや費用など、条件に合わせた検索ができるほか、資料請求もできますので、ぜひご活用ください。

◎ https://www.sagasix.jp/

入居者の満足度はスタッフが左右する、信頼できるスタッフの見分け方

施設で働くスタッフの質は、老人ホームを探す上で重要なポイントであることはわかりますが、スタッフの質は実際に入居してからでないとわかりにくいものです。そこで、施設見学や説明会のときにスタッフの質をチェックするコツを聞いてみました。


<Aさん>
“まずは、スタッフの身だしなみや表情をよく見てみましょう。館内ですれ違ったときにきちんと挨拶してもらえるかも大切なポイントです。身だしなみや挨拶ができるスタッフは、人からどう思われているか、自分の言動が人にどのように受け取られるかを考えられる人です。そのような人は細かな気配りができる人が多いのではないでしょうか”


<Bさん>
“見学日など外部の人が大勢来るときは、いつも以上にスタッフが張り切ってしまうことも考えられます。それでも注意深く見ていれば、スタッフと入居者の関係性が読み取れるはず。たとえば利用者への接し方、特に話しかけるときの言葉遣いや声をかけられた入居者の表情を見るとよいでしょう。ほかには介助の方法がスムーズで丁寧であるかなど、技術的なところにも注目してみてください”

限られた見学時間でスタッフの質を見抜くことは難しいかもしれませんが、 サービスをおこなうスタッフのモチベーションや介護の技術などが高ければ、介護を受ける入居者は心地よく過ごせるはず。スタッフの質は入居者の満足度を大きく左右します。可能なかぎり施設全体で働く人の雰囲気やマナーなどを確認したいところです。

ねぎらいの言葉が質の良いサービスを受ける秘訣?スタッフと信頼関係築くことも忘れずに!

満足できる老人ホームに入居するためには、ハード面やソフト面など、さまざまな条件を確認して選ぶことが大切です。最後に入居してからより良いサービスを受ける秘訣はあるのか、聞いてみました。

ポイントは、“施設のスタッフをねぎらう”ことにあるようです。


<Aさん>
“福祉施設は慢性的に人材が不足しています。少ない人数で現場を回せば、スタッフは疲弊してやがて彼ら自身の健康が損なわれることになります。入居が決まり面会で施設を訪れる際、頑張って働くスタッフの姿を見かけたら、ぜひねぎらいの言葉をかけていただければと思います。そういった言葉のひとつひとつが働く人のモチベーションになり、質の高いサービスにつながるはずです”

施設に入居すると、今まで家族がおこなってきたケアを施設が代行することになりますが、すべてを押し付けることは望ましくありません。質の高い介護サービスを受けるには、ご本人やご家族、施設で働くスタッフ、そしてケアマネジャーの信頼関係や協力が欠かせないものになるでしょう。

介護は人がおこなう仕事です。施設のスタッフが気持ちよく働くことができれば、サービスの質も上がり、入居者も毎日を快適に暮らせるはず。満足できる老人ホームを見つけて入居できた後は、施設のスタッフと信頼関係を築いてみましょう。

きっと、高齢者も快適な暮らしが送れるはずです。

入居相談のプロが教える、
有料老人ホームの費用をお得にするコツ

家族が病気で介護を必要とするようになったり、在宅介護を継続できなくなったりするときに考 える、有料老人ホームの利用。しかし、そこで多くの方の前に “壁” となって立ちふさがるのは、「費 用」の問題です。

値段は施設によって異なりますが、数百万円の入居一時金(入居の際に支払うお金)と月額約 20 万円の施設利用料を「高い」と考える方は少なくないはず。入居する家族の貯蓄や年金でこの費 用をまかなうことができず、在宅介護を余儀なくされるケースもあるでしょう。

そこで、この無料EBookで、誰もが使える老人ホームの費用を少しでも安くする方法を解説します。 ぜひダウンロードして、老人ホーム選びの際にお役立てください。