老人ホームの料金でお悩みの方へ。軽費老人ホーム/ケアハウスのススメ

最近は、新聞のチラシやインターネットでも有料老人ホームの入居者募集の広告をよく見かけるようになりました。高級マンションのような重厚かつ豪華な建築に加え、ホテルのようにデザインされた内装、居室。サービスが行き届いたスタッフ対応や、満足できる食事……。安心かつ充実した老後が約束された施設ですが、その設備が充実しているほど入居のための初期費用や毎月かかる施設利用費は膨大なものになります。

「ウチにはそんなお金払えない!」「でも自宅でこのまま暮らしていくのも心配……」。そんな悩みを抱える人たちのために、「軽費老人ホーム(ケアハウス)」という施設があるのをご存知でしょうか?今回は、低価格で入居できる軽費老人ホームについて、入居者の要介護度や価格帯という点で近い「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」との比較も交えながら解説していきます。

軽費老人ホームの種類はA型・B型(従来型)、そしてC型(ケアハウス)の3種類

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軽費老人ホームとは、比較的低額で入居できる福祉施設のひとつです。民間会社が運営している有料老人ホームと違い、地方自治体または社会福祉法人によって運営されており、費用が比較的安く済みます。

軽費老人ホームには大きく3つのタイプがあります。A型、B型、そしてC型(ケアハウス)の3つです。A型・B型は「従来型」と呼ばれ、C型(ケアハウス)とはその入居条件やサービスも異なります。まずは従来型について説明しましょう。

低価格だが、要介護者は入居できない従来の軽費老人ホーム

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A型は、入居者に対して食事の提供があるタイプで、建物内には食事するスペース(食堂)が設けられています。

B型は食事の提供がないタイプ。入居者は自炊する必要があるため、居室内にキッチンやトイレが設けられています。食費がかからないため、A型に比べて費用が安く済むのが特徴です。

ただし、この従来型の経費老人ホームの入居には、いくつか条件があります。

まず、軽費老人ホームは介護サービスを受けることを想定した施設ではないため、「要介護」の人は入居できません。職員は、主に生活支援や安否確認をおこなうために常駐しているため、介護が必要な状態になれば退去を迫られる可能性が大きいので注意が必要です。

また、家庭の事情も入居条件に関係し、身寄りがなく一人暮らしが厳しいと判断された人、家族と同居できない人などが入居対象です。その他の入居基準としては、60歳以上であること(夫婦の場合はどちらかが60歳以上でも可)共同生活に対応できること毎月の家賃の支払い能力があることなど、細かく条件が規定されています。

このように制限の多い従来型は、1990年以降新設されておらず、2004年を境にその数を徐々に減らしつつあります。今後、従来型は C型(ケアハウス)にシフトされ、そのうちなくなるだろうと見られています。

では、次の章では「ケアハウス」について見ていきましょう。

介護サービスに対応した「ケアハウス」が今後増えていく

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ケアハウスは、A型同様に食事の提供はありますが、入居にあたって所得制限はありません。従来型と同様のコンセプトの「一般型」と、要介護者の入居を想定した「介護型」の2種類があり、介護型であれば従来型では入居できなかった「要介護」の方でも施設に入ることができます。

ただし、介護型ケアハウスの入居の条件として65歳以上という制限があるので、その点は注意も必要です(自立型ケアハウスは60歳以上)。

このように、高齢者に対して食事サービスから介護サービスまで提供するケアハウスですが、介護が必要な方が入居できる施設は、何もこれだけではありません。有料老人ホームはもちろん、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」などの選択肢があります。

そこで、ここからはケアハウスとサ高住を比較していきます。

ケアハウスとサービス付き高齢者向け住宅の違いは?

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ここ数年、ケアハウス同様、「サ高住」は低価格で入れる施設として人気を集めてきました。もちろん、価格帯が高いサ高住もありますが、施設数が多い分、選択肢も多いために自身の経済状況に合わせた施設を選ぶことができます。

具体的には、今はまだ元気だけれど、近い将来夫婦だけで暮らしていけるか不安という人、深刻な要介護ではないものの一人暮らしで誰かの介助がないと生活が難しくなってきている人、子どもの世帯と同居が難しいという人などの多くが入居を検討しています。

ただし、手厚い介護サービスが提供される介護保険施設とは異なり、完全に独立した居室、主軸となるサービスを生活相談と安否確認に定めた業態は、「施設」というよりはマンションのような集合住宅に近いものです。これは今回ご紹介したケアハウスも同様ですが、サ高住とケアハウスにはどのような違いがあるのでしょうか?

以下、入居条件や費用、サービスの違いなどをまとめましたので、入居を検討される際はぜひご参考にしてください。

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将来に備えて、自分そして家族に合った施設選びを

高齢弱者救済のために設立された軽費老人ホームも、時代の流れとともに名称そして形態そのものも変化を遂げてきました。

ただし、ニーズの高い介護型ケアハウスの数はまだまだ足りていない状況です。有料老人ホームに比べてはるかにリーズナブルではあるものの、入居条件や初期費用も決して楽にクリアできる問題ではありません。

経済面だけでなく、住環境やサービス内容なども勘案し、上記のサ高住との比較も参考にしながら、最適な住処を探したいものです。

参考文献
『福祉・介護の仕事&資格がわかる本』資格試験研究会編 実務教育出版