ご家族が老人ホームや施設の入居を嫌がる……双方が納得した入居をするためには?

高齢化社会が進行する日本では、65歳以上の高齢者がいる世帯が全世帯の約半分となる46.7%を占めています(※1)。高齢者とご家族が離れて暮らしている場合は、安否確認や日々の生活の支援など頭を悩ませるところですが、同居しているケースであっても、認知症の進行やADL(日常生活動作)の悪化によって、一緒に暮らすことが難しくなることもあります。

そのような場合、老人ホームなど施設への入居で介護の負担を減らすことが選択肢となります。しかし、いざ入居の相談を本人にすると、嫌がって話が進まない……というケースが多く見られます。

無理に入居を押し通してしまうと関係性が悪化したり、入居後のトラブルにも繋がります。今回は、高齢者と家族の双方が納得して施設へ入居するための方法を紹介していきます。

高齢者が施設への入居を嫌がる理由は?

老人ホーム_嫌がる

では、高齢者が老人ホームなど施設への入居を嫌がるのは、どういった理由が考えられるのでしょうか?

家族に捨てられたくない・邪魔者扱いされたくない

家族と同居している高齢者ですと、「見捨てられた」「邪魔者にされた」という被害者意識になってしまうケースが考えられます。特に本人に病気や衰弱の自覚がある場合、今まで勝気だった人でも急に元気を無くしてしまうことがよくあります。そういった精神状態で家族から施設への入居を切り出されると、「家族から見放された」という強いショックを受け、入居を拒否してしまいます。加えて認知症の症状がある場合、一時的なパニックから急に暴れ出したり、暴言を吐いたりすることも考えられるでしょう。

住み慣れた場所から離れたくない

人間は齢を重ねるごとに環境の変化への適応が難しくなります。できるだけ住み慣れた家で、普段の生活リズムを乱されることなく平穏に暮らしたいというのは誰もが持つ願望でしょう。また苦労して建てた家だったり、庭の草花を育てる日課があったりすると、家への愛着もより強くなります。

老人ホームに入る必要がないと思っている

老化を自覚している高齢者がいる一方で、「自分はまだまだ元気」「家族に面倒・迷惑をかけていない」と思い込んでいる方も多く存在します。そういった方々は、認知症の影響で本人がそう思い込んでいる可能性が高いと考えられますが、施設への入居を薦める理由にギャップがあるため、本人は納得することができません。

老人ホームにネガティブなイメージを持っている

現在では、手厚い介護や、豪華な食事、レクリエーションなどが整った施設が増えてきましたが、老人ホームを“姥捨て山”のような存在と考えている高齢者も少なくありません。どこか得体の知れない場所に連れ去られてしまう恐怖感から入居を拒否していることが考えられます。また大勢の高齢者が暮らす場所であるため、多くの人と接触することを疎ましく感じる人や、見知らぬ人とうまく付き合っていけるか自信がない人もいます。

高齢者でなくとも、自分の意思とは無関係に住み慣れた我が家から離れるのは気持ちがよいものではありません。誠心誠意、家族の事情を伝えて、本人にとっても良い環境になることを理解してもらうのがベストですが、認知症の兆候があると言葉で納得してもらうのは難しい場合もあります。

それでは入居に納得してもらうにはどのような方法が考えられるでしょうか。

納得して施設へ入居してもらうために伝えること

老人ホーム_入居

自分から進んで施設に入りたいという高齢者は多くありません。まずは老人ホームや施設での暮らしにどのようなメリットがあるのか、根気強く伝えていくことが求められます。

介護者の事情は押し付けるのはNG

まず施設に入ることが誰にとって一番重要なことなのかを伝えましょう。家族が施設への入居に踏み切る大きな理由として、家族だけでのケアや通所介護に限界を感じたことが挙げられるはずです。「介護が大変になったから」や「認知症が進んで手に負えなくなった」など、介護側の事情ばかりを伝えるのは絶対にいけません。それだけで疎外された気持ちになり、家族との絆に大きな亀裂が生まれてしまう原因にもなります。

元気に長生きしてほしいという家族の思いを伝える

なぜ老人ホームに?という疑問に対し、純粋にいつまでも元気に長生きしてほしいこと、そのためには安全と健康が守られる手厚いケアが必要であること。それが家族の願いであることを伝えてください。最初から首を縦に振ることはないかもしれませんが、家族の気持ちを正直に伝えることで、本人の気持ちも少しずつ傾いていくはずです。

自宅よりも充実した介護や楽しみ方があること

最近の有料老人ホームでは、低~中価格帯のホームであっても新しい施設や食事の内容が充実しているところがたくさんあります。ジムのようなトレーニング施設やカラオケが併設していたり、園芸、囲碁・将棋・麻雀といった遊戯が充実している施設もあります。普段自宅で楽しむことができないようなアクティビティができるのも施設の魅力のひとつです。また入居者と友人になることができれば、話し相手に困ったり、寂しい思いもしないでしょう。

ほとんどの老人ホームが24時間体制で介護士による見守りをおこなっています。最近では医療併設型のホームや、地域の病院と提携して定期的に訪問医療・看護をおこなう事業所も多く見られるようになりました。ご家族が納得できる施設を見つけ、本人に環境が良くなることを伝えることが大切です。

体験入居やケアマネジャーの意見を聞くのも大事

老人ホーム入居_納得

どんなに言葉で説得しても難色を示す方、かたくなに入居を拒否する方もいることでしょう。そのような場合は、下記のような対応を試してください。

ショートステイを利用し“お試し入居”体験をしてみる

有料老人ホームでは、入居前に施設やサービスの内容を知ってもらうためのお試しの入居を実施しています。体験入居をして、施設の雰囲気やサービスを経験してもらうのがお勧めです。また通常のショートステイ(短期入居生活介護)から徐々に慣れてもらうのもよいでしょう。急な用事などで家族が家を空けなくてはならない際に、一時的に高齢者を預かってくれるサービスですが、居住型高齢者施設の多くが実施していますので、食事や介護サービス、施設の雰囲気を経験できます。要介護者が施設にネガティブなイメージを持っている場合は、イメージを改善できる可能性があります。

ケアマネジャーなど第三者に説得を依頼する

家族同士だからこそつい意固地になってしまうことも考えられますので、家族以外の第三者にお願いしてみるのもひとつの手です。

例えば、本人のこともよく知っているケアマネジャーなどに相談し、ヒアリングしてもらうのもよいでしょう。家族の前だから言えないことでも、ケアマネジャーには素直に打ち明けてくれることもあります。特にプライドの高い男性の場合、子どもたちや妻の言葉に耳を貸すことがなかったにも関わらず、すんなりと納得するケースもあるようです。

その日の気分や顔色を見て切り出すタイミングをうかがう

高齢者の場合、そのときの一時的な気分で思ってもいない発言をしたり、発言内容が二転三転することがあります。例えば、体験入居やショートステイの際は、「食事も美味しく、雰囲気も良かった」と言っていた高齢者が、家に帰った翌日には「もうあんなところには行きたくない」と逆のことを言うこともあります。

認知症の影響も考えられますが、本人が塞ぎ込んでいるときや機嫌が悪いときに切り出すことは控え、気分が落ち着いているときに打ち明けてみるとよいでしょう。一度拒否されても、日を改め何度か説得を試みてみることも大切です。

終わりに~施設への入居=介護からの解放ではない

ご家族、要介護者の双方が納得して、老人ホームへの入居が決まったとしても、介護が終わったわけではありません。入居してから訪問が滞ると、要介護者は見放されたと思い込んでしまい、辛い毎日を送ることになります。時間の許す限り、できるだけ来訪するようにしてみてください。

また施設で働く介護士や事務員へのあいさつやねぎらいの言葉も忘れないようにしてください。熱心に面会に来る家族ほど、入居者も含めた三者間の信頼関係が強固なものになり、より充実した毎日が送れることでしょう。

そして、お盆や正月、本人の誕生日など節目の日には自宅へ連れて帰ると、家族の一員なんだという自覚と安心感が生まれ、より日々の生活にゆとりが生まれてくることでしょう。

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※1内閣府高齢者白書

入居相談のプロが教える、
有料老人ホームの費用をお得にするコツ

家族が病気で介護を必要とするようになったり、在宅介護を継続できなくなったりするときに考 える、有料老人ホームの利用。しかし、そこで多くの方の前に “壁” となって立ちふさがるのは、「費 用」の問題です。

値段は施設によって異なりますが、数百万円の入居一時金(入居の際に支払うお金)と月額約 20 万円の施設利用料を「高い」と考える方は少なくないはず。入居する家族の貯蓄や年金でこの費 用をまかなうことができず、在宅介護を余儀なくされるケースもあるでしょう。

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