「味が薄い」「冷めている」!?食事にこだわる老人ホームの見極め方

生きていく上で欠かせない、食事。赤ん坊から高齢者まで、生きている限り食事を必要としない人はいません。さらに、食事は栄養源となるだけでなく、それ自体が楽しみを与えてくれるものです。

今回は、老人ホームの食事情について掘り下げて考えていきます。老人ホームでは、生活の基盤であり、活力をもたらす“食”をどのように考えているのでしょう。

苦情も多い、老人ホームの食事のリアル

ホテルやレストランと違い、老人ホームの主目的は「高齢者の介護」。食事にそれほど多くの予算や人員は避けません。限られた資源で提供している分、実は利用者から苦情を受けやすいところでもあります。

高齢者住宅経営者連絡協議会が2014年に実施した、高齢者住宅における食事サービスについてのアンケート調査では、以下のような苦情例が見られました。

味について
・味が薄い、濃い
・冷凍食品の頻度が多い
・適温で提供してほしい(冷めている)
・同じようなメニューが続くことがある(シチューとカレー等)
・硬すぎる、柔らかすぎる
・食材の質が悪い

食事サービスについて
・配膳ミス
・職員の態度(お茶のお代わりなどの気遣いの有無など)
・大人数に対応するとき、待ち時間が長くなることがある
・異物混入(髪の毛など)

これらの苦情はもちろん利用者全員の総意ではありませんが、このように考える方も少なくありません。そもそも、多くの高齢者は家や家族と離れることにストレスを感じています。そのため、身の回りの様々なことに関して厳しい目を向けてしまい、とりわけ楽しみのひとときである食事については細かいことも言いやすくなるのです。

毎日献立を公開する老人ホーム、ウェルハイム

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前章で述べた通り、老人ホームでふるまわれる食事は、「味」の他にも「栄養価」「治療食」「のどに詰まらせない食事」など、気をつけるべき点が多く、限られた予算の中ではすべての利用者を満足させるにはむずかしい面があります。

しかし、各老人ホームはできる限り利用者を満足させようと努力をしています。東京都足立区と八王子市の2箇所にある、介護付有料老人ホーム「ウェルハイム」もその一つ。ウェルハイムは平成27年6月から毎日、3食すべての献立を老人ホームのブログに掲載しています。

例えば、足立区のウェルハイムの7月29日〜31日のメニューは以下の通り。

7/29
朝:スペイン風オムレツ、三色稲荷野菜あんかけ、ひじき煮 他
昼:揚げ赤魚のなめこおろしあん、冬瓜と鶏団子の煮物 他
晩:豚肉の柳川風、ジャガイモの白煮、水菜と白菜のおひたし

7/30
朝:【朝粥の日】玉子入りおじや、がんもと茄子の煮浸し 他
昼:鶏肉の南蛮漬け、かぶの含め煮、冷奴
晩:【土用の丑】うなぎ丼、蓮根とコンニャクの煮しめ 他

7/31
朝:ほっけ焼き、大豆とひじきの炒り煮、キャベツの柚子和え
昼:韓国風ナムルそうめん、筑前煮、小松菜のおかか和え
晩:ハヤシライス、カボチャのミルク煮、もやしドレッシング和え

引用元:http://www.welllife.co.jp/meneu.html

ウェルハイムは利用者に飽きさせない献立で、自信を持って毎日の食事を提供しています。ウェルハイムのほかにも食事を売りにしている老人ホームは多く、介護サービスを提供するだけでなく、利用者に“食”を楽しんでもらっています。

老人ホームの食事のチェックポイントは「介護食の種類」と「食堂の様子」

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では、そうした食事にこだわる老人ホームを見つけるために、どのようにすればよいでしょうか。チェックすべきポイントについて挙げていきましょう。

まずは、食事を選択できるかどうか。“選択”というのは、単に「ご飯・パン」「和食・洋食」という好みだけではなく、提供できる“食事形態”の話も含みます。

ご存知の方も多いと思いますが、高齢者は人によっては嚥下機能、咀嚼機能ともに衰えているので、それぞれに合わせてきざみ食やミキサー食、嚥下食、流動食、ソフト食などの介護食を提供する必要があります。入居時はまだ介護食が必要なくとも、将来的に必要となることは十分に考えられるので、どういった介護食を提供できるのか知っておくべきです。

「ソフト食」は、近年導入する施設が増えた介護食で、咀嚼や嚥下に問題を抱えている人でも食べやすいよう、柔らかく、食べ物を胃まで送り込みやすいように作られています。食材を細切れにする「きざみ食」や、完全にペースト状となっている「ミキサー食」と比べ、食品の原型をとどめているため、高齢者が食事を楽しめるのが特長です。

もし、介護食の見た目にこだわる方であれば、このソフト食を提供している老人ホームを選ぶとよいでしょう。

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でも、やはり一番おすすめしたいのは、実際に入居を希望する老人ホームで食事をしてみること。お昼どきを狙って見学に行ってみましょう。そして、目の前の料理を味わうだけでなく、周りの入居者の声を聞いてみると、よりリアルな情報を得ることができます。

そこで「冷たい」「またこのおかず?」のような声が聞こえたり、スタッフが適当に配膳をおこなっているようであれば要注意。

また、どのような食器を使っているかまで注意して見てみましょう。指先の衰えによってふつうの箸やスプーンをうまく使えなくなった入居者を、スタッフが全面的に介助しているか。あるいは使いやすいように設計された介護用スプーンなどを用いて、高齢者のADL(日常生活動作)が少しでも衰えないようにサポートしているか。そうした細部にも、食に対するこだわりや、老人ホームの姿勢などが現れますので、しっかり観察してみましょう。

おわりに

食事は栄養を補給するだけに限らず、生活の幸福度とも密接に関わってきます。ご家族に幸せな余生を過ごしてもらうために、老人ホームを選ぶ際はぜひ“食”にこだわってみてください。

参考資料:
高齢者住宅における食事サービスについてのアンケート調査

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