認知症の家族がいる方は知っておくべき「認知症対応型グループホーム」のメリット・費用・入居条件

厚生労働省の発表によると、2012年時点での認知症高齢者の数は全国で約462万人。これは65歳以上の約7人に1人が認知症になっている計算で、その数は今後ますます増え続けると予測されています。実際、家族が認知症になって介護施設の利用を検討されている方も多いことでしょう。

そんな方のために、医療や手厚い介護とは趣旨の異なるプロセスで、認知症の進行を遅らせ、普段どおりの生活を送ってもらう介護サービスがあることをご存知でしょうか? 今回は、居住系サービスのひとつで、認知症高齢者同士が集団生活を送る「認知症グループホーム」について解説します。

認知症を熟知したスタッフによる、少人数ケア

pixta_20878484_m

認知症グループホームとは、認知症の高齢者を対象にした、少人数での共同生活を提供するホームのこと。認知症対応型共同生活介護とも呼ばれています。福祉先進国であるスウェーデンで一般民家を開放して提供されていた“集団生活ケア”の考え方をベースにしており、日本でも1997年からサービスを開始しました。

認知症グループホームは「ユニット型」と呼ばれる少人数制での生活基盤を採用しており、1ユニットは5~9名の高齢者で構成されています。入居者一人ひとりに個室が与えられているため、プライベートは確保されています。その一方で、日中は共同スペースで各利用者同士が交流を図れるようになっていて、レクリエーションも充実。入居者は部屋に引きこもることのないような生活を送ることができます。

認知症を熟知した介護スタッフによる24時間体制でケアをおこないますが、食事の支度や清掃といった家事全般は、基本的に入居者同士が力を合わせておこないます。なぜなら、認知症グループホームには「認知症の進行を遅らせる」という目的があるからです。そのため、可能なかぎりの作業は入居者同士でコミュニケーションをとりながら実行してもらい、脳の活性化を図ります。

入居条件:要支援2以上の認知症の方

pixta_20408727_m

認知症グループホームの入居条件は、現在65歳以上で要支援2以上の認知症の人のみが入居可能となっています。かつては要介護(1~5)の人のみ認められていましたが、現在は要支援2も対象です。ただし、「物忘れが激しい」など認知症の傾向がある場合でも、要支援1は入居が認められていません。

ケアマネジャーなどの助言をもとにホームを探し、ホームが見つかったら、申請書とあわせ、収入や資産を証明する書類、健康状態を証明する書類を提出し、ホームの責任者と面談をおこないます。また、認知症であることが入居条件になるため、認知症を証明できる医師の診断書も必要です。

費用:月々10〜20万円程度

認知症対応型グループホームは、居住費、光熱費、食費はすべて自己負担となります。

ホームのある地域によって違いはありますが、介護サービスも含め、平均して10~20万円/月が一般的な料金です。また同時に、入居時にかかる入居一時金(敷金に相当)も発生します。高いところで数10万~100万円ほどかかるホームもありますが、最近は入居一時金が0円という施設もあります。

不安点:入居者どうしのトラブルや医療ケアの不足

pixta_23199833_m

認知症対応型グループホームはアットホームな雰囲気で、高い専門性を持った介護スタッフもいるため、家族は安心して高齢者を託すことができることでしょう。しかし、認知症グループホームにもいくつかのデメリットはあります。

まず、個室でプライバシーは確保されているものの、ほかの入居者と共有する時間帯が長いため、もともと集団生活になじめない人や、性格の合わない入居者がいた場合、本人が感じるストレスは大きなものになり、トラブルに発展する可能性もあります。

また、医療体制が敷かれていないホームも多く、持病のある人や定期的な医師の診察、処方が必要な高齢者には不向きな施設であると言えます。さらに、大病を患った場合など、高度な医療ケアが必要と診断された場合、退去しなければならない場合もあります。

終わりに 

認知症は、物忘れだけではなく、人によっては徘徊や暴力などの異常行動も見られ、働きながら介護しなければならないケースもあります。そのとき、仕事を辞めて介護に専念するのではなく、認知症を熟知しているスタッフがいる、認知症対応型グループホームを検討してみてはいかがでしょうか。

※参考文献
資料『厚生労働省(老健局)の取り組みについて』(H27年厚生労働省老健局高齢者支援課)
『福祉・介護の仕事&資格がわかる本』資格試験研究会編 実務教育出版

入居相談のプロが教える、
有料老人ホームの費用をお得にするコツ

家族が病気で介護を必要とするようになったり、在宅介護を継続できなくなったりするときに考 える、有料老人ホームの利用。しかし、そこで多くの方の前に “壁” となって立ちふさがるのは、「費 用」の問題です。

値段は施設によって異なりますが、数百万円の入居一時金(入居の際に支払うお金)と月額約 20 万円の施設利用料を「高い」と考える方は少なくないはず。入居する家族の貯蓄や年金でこの費 用をまかなうことができず、在宅介護を余儀なくされるケースもあるでしょう。

そこで、この無料EBookで、誰もが使える老人ホームの費用を少しでも安くする方法を解説します。 ぜひダウンロードして、老人ホーム選びの際にお役立てください。