入居者同士で支え合いながら暮らせる、高齢者向けシェアハウスとは?

少子高齢化社会が進む日本では、65歳以上の人が暮らす世帯のうち、高齢者だけで暮らす世帯(単身高齢者または高齢夫婦のみの世帯)が58.2%に達しています。(※1)特に年老いた親と離れて暮らす家族にとって、その安否は常に気になるものです。

このような状況の中、比較的元気な高齢者がひとつ屋根の下で支え合いながら共同生活をする「高齢者向けシェアハウス」が増えています。この記事では高齢者向けシェアハウスはどのような住居で、どのような人に向いているのかをご紹介します。

元気なシニア世代が増える中、成長を見せる新たな居住形態

一軒家やマンションに数名の同居人が暮らす“シェアハウス”は、近年若者の間で流行し、都市部を中心に一定数の人が選択する居住スタイルになりました。

シェアハウスでは、家の各部屋が入居者のプライベートスペースになり、トイレやキッチン、風呂はほかの居住者と共有します。

このシェアハウスのターゲットを高齢者向けに絞ったものが「高齢者向けシェアハウス」です。一般的なシェアハウスとの違いは、階段に手すりが付いていたり、段差をなくすためにスロープがつけられているなど、高齢者向けの設備が充実しているのが特徴。

高齢者向けシェアハウスに住むことで、ほかの居住者とのふれあいを通じて社会との接点を保ち、適度な緊張感を持って生活することができます。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅との違いは?

高齢者向けシェアハウスに興味がある人は、「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」などの居住型施設へ入居を検討していることも多いでしょう。ここで気になるのが居住型施設との違い。高齢者向けシェアハウスと居住型施設にはどのような違いがあるのでしょうか?

<メリット>

○月々の諸費用がリーズナブル
高齢者向けシェアハウスの家賃はマンションやアパートより割安で、介護施設とは異なり敷金(一時入居金)が発生しません。また、定期的にかかる自宅の修繕費(屋根・外壁の塗装、雨漏りの修理、シロアリの駆除など)は家主が負担するので、入居者の金銭的負担は軽くなります。

介護施設とは異なり、介護サービスにかかる費用がないため、毎月発生する費用は家賃と光熱費のみ(光熱費はほかの入居者を折半)。年金生活をする高齢者にとって、生活費がリーズナブルになることは大きなメリットになるはずです。

○入居者同士で安否の確認や支え合いができる
居間やキッチンなど共有部が多いシェアハウスでは、同居している人々と顔を合わせる機会が多くなります。直接顔を合わせると健康状態などがわかりやすく、異常があればいち早く気づくことができるでしょう。同居している人と仲よくなれば、一緒に食事をしたり、家事を分担することもできるので、お互いに支え合いながら暮らすことも可能です。

<デメリット>

○手厚い介護サービスが受けられない
高齢者向けシェアハウスは基本的に身の回りのことをすべて自分でできる、元気な高齢者が入居対象となります。老人ホームとは異なり、基本的に介護サービスを提供していませんし、介護施設のように介護スタッフは常駐していません。そのため、日常的に介護サービスを利用している高齢者には不向きです。認知症患者や体に不自由がある人の場合、入居を断られることもあるので注意しましょう。

○バリアフリーに対応していないこともある
高齢者向け住宅のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)やシニア向け分譲マンションは、将来的に介護が必要となった場合を想定して建物がバリアフリーに対応した構造になっています。対して高齢者向けシェアハウスは、階段に手すりや段差をなくしスロープを取り付けたりするなど、できるかぎりバリアフリー対策に力を入れている建物が多いですが、もともと介護を想定した施設ではないため、バリアフリーに対して法的な制限はありません。したがって施設によっては、バリアフリーに対応していない建物もあるので、事前に必ず確認しましょう。

まずはインターネットで検索、高齢者向けシェアハウスの探し方

高齢者向けシェアハウスは、インターネットを通じて探すのが一般的です。最近ではシニア向けの住居を紹介するポータルサイトも増えたため、複数のハウスを比較検討できるようにもなりました。

運営者は介護事業者の場合もありますし、個人やNPO団体が空き家の有効活用として始めるケースや、若手実業家が参入しているケースなどさまざま。

入居の際は、ホームページの情報から場所や建物の雰囲気、料金形態などをチェックし、ここだと思えるハウスが見つかった場合、直接事業主に連絡をして内見をおこないます。

入居先を決める際に注意しておきたいのが、オーナーや管理人がどれだけ高齢者に対する理解があるかということ。定期的に見回りに来てくれたり、困ったことがあればすぐに駆けつけてくれたりするなど、親身になって居住者の生活をサポートしてくれるかどうかは、生活の質に影響します。最終的には、シェアハウスの雰囲気や、オーナー・管理人の対応は、見学したり居住者の声を聞いたりするなど、なるべく自分の目や感覚で確認するようにしましょう。

ルールはみんなで話して決める、高齢者向けシェアハウスに住む注意点

高齢者向けシェアハウスは、一般的な介護施設と異なるため、生活や外出時間などに制限はありませんが、共同生活ならではのルールがあります。

○共同生活のルールが必要
食事を居住者同士で助け合いながら作り、共有スペースで食べるハウスもありますが、味の好みや好き嫌い、生活サイクルの不一致などを理由に、個々で食事を済ませる人も少なからずいます。その場合、キッチンを使う時間帯を前もって決めておく必要があるほか、調理道具や食器の取り扱い、生ごみの出し方など細かい決まりごとを設定しておかなければ後にトラブルに発展する恐れもあります。

そのほかに、入浴時間や共有スペースの清掃分担なども決めておいたほうがよいでしょう。共同生活のルールは入居者同士が話し合って決めるケースもありますが、シェアハウスのスタッフが間に入って時間割や作業分担などを決める場合もあります。

困ったことや相談がある場合、些細なことでも責任者であるオーナーまたは管理人に連絡を入れるようにしたいところです。

○プライベートを重視する人には向かないことも
規制緩和によって参入する業者(または個人)が増えたほか、健康で高齢期を迎える人が多くいることから高齢者向けシェアハウスはさらなる注目を浴びることが予想されます。

しかし、大人数がひとつ屋根の下で共同生活を送ることから、プライベートを重視したい人や、にぎやかな環境が苦手な人にはなじみにくい環境といえるかもしれません。「お金を払った以上、不慣れな環境でも住み続けなくてはいけない……」といった状態で生活を続けても、ストレスで体調を崩す恐れもあるためミスマッチは回避したいところ。

毎日同じ家で同じ人と顔を合わせることに抵抗があるならば、共用スペースとプライベートスペースがしっかりと区別されているサ高住や、シニア向け分譲マンションなどの選択肢も視野に入れながら、自身の価値観やライフスタイルに合った住居を見つけましょう。

○サ高住やシニア向け分譲マンションを探すなら、比較・検討サイトがおすすめ
老人ホームの比較検討サイト「探しっくす」は全国の有料老人ホームのほか、サ高住やシニア向け分譲マンションの情報を掲載しています。エリアや費用など、条件に合わせた検索ができるほか、資料請求もできますので、ぜひご活用ください。
※高齢者向けシェアハウスは掲載されておりませんので、ご注意ください。


◎ https://www.sagasix.jp/

※1:出典「平成27年 国民生活基礎調査の概況」

入居相談のプロが教える、
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