特別養護老人ホームに入るには?「入居条件」と「入居待ちの間の過ごし方」

特別養護老人ホーム、通称「特養」と呼ばれる施設をご存じですか?

有料老人ホームよりも月々の負担額が少なく介護サービスが充実している一方で、なんと入居希望者の2人に1人が入居できていないという現状があります。高齢者の増加に従って要介護者も増えているにもかかわらず、なぜこのような事態が起こるのでしょう。

今回のテーマは「特養」。入居条件や入居できなかった場合の対処法について解説していきます。

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホーム(特養)は、介護保険法では「介護老人福祉施設」とも呼ばれます。主に社会福祉法人により運営される、重度の要介護状態の高齢者に介護サービスを提供する施設です。厚生労働省が発表した資料によれば、平成26年10月時点で特養の施設数は約9000で、利用者は53万人以上。営利法人中心の有料老人ホームの入居者数である約39万人と比較しても、非常に多くの高齢者が利用していることがわかります。

特養の特徴は、何と言ってもその利用料の安さです。介護保険の自己負担分と生活費を合わせても月額5〜10万円ほどでまかなうことができ、月額20万〜30万円の出費が想定される介護付有料老人ホームと比べると、その利用料の安さがわかります。また、それに加えて特養を、高齢者を看取る場所として考える方も多く、「終(つい)の住処」としての役割も担っています。

50万人以上が待機中!?特養入居には条件がある

特養には誰もが入所できるというわけではなく、原則として要介護3以上の65歳以上の高齢者というのが入居条件となっています。ただし、要介護1や要介護2の方は特例として、以下の条件でのみ認められています。

① 認知症で、日常生活に支障を来すような症状等が頻繁に見られること
② 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状等が頻繁に見られること
③ 深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態であること
④ 単身世帯等家族等の支援が期待できず、地域での介護サービス等の供給が不十分であること

引用元:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/tokuyou.pdf

このように入居条件が定められたのは、軽度の要介護者で施設が埋まっているために、重度の介護状態にもかかわらず家での生活を強いられている高齢者が多数いたためです。現在、特養に入りたくても入れない「待機高齢者」は52万人以上と言われています。特養に入りたいと思っている人のうち、2人に1人が施設の空きを待っている状態なのです。

特養になかなか入れない……。そのとき、どうする?

特養の入所待ちは申し込みをした順に入所できるのではなく、身体状況や生活環境などから点数化され、その点数によって順番が回ってきます。そのため、入所までに数年待機している人も少なくありません。

では、特養の順番を待つ間、高齢者と家族はどうすれば良いのでしょうか。ここからは、特養に入るまでの間に利用できるサービスについて説明していきます。

介護老人保健施設の利用

介護老人保健施設(通称、老健)は、在宅では介護が不可能な場合の高齢者が利用する施設です。心身のリハビリや入浴・就寝・排泄などの日常生活の介護、通院の付き添いなどを行います。

老健では入居してから3ヶ月ごとに入退所の審査が行われ、在宅復帰できるとされたら退所命令が出されるため、あまり長い期間滞在することはできません。しかし、有料老人ホームと違い、入居するときに支払う入居一時金が必要とされないため、特養に空きが出るまでの間に利用されることがあります。中には老健を退所後、別の老健に入所する方もいるとのこと。

デイサービスやショートステイの利用

特養が空くまでの間、在宅介護を続けるにあたり訪問介護だけでなく、「デイサービス(通所介護)」や「ショートステイ」といった介護サービスを利用するという選択肢も考えられるでしょう。

利用者が同世代と交流できるデイサービスや、最長30日間施設で暮らすショートステイを在宅介護の中に取り入れることで、家族の負担はぐっと減り患者の気分も明るくなると言います。デイサービスは「要介護度5」の方でも平均して2000円前後の出費なので、「特養が空くまで資金を抑えながら在宅で介護を続けたい」という方に活用されています。

デイサービスについてはこちら
居宅介護から通所介護へ。デイケア・デイサービスを利用してみよう

有料老人ホームの利用

要介護度が高い高齢者の中には、待機人数が1000人を超えることもある特養と比べて、比較的空きの多い有料老人ホームに入居して特養の順番を待つという例も少なくありません。

そのとき、特に気をつけたいポイントが、入居時に支払う入居一時金です。1000万円以上となることも珍しくない、入居一時金。0円で済ませることができれば、その分を特養での費用として貯めることができます。ただし、入居一時金は基本的に家賃の前払いであるため、入居一時金が0円の場合、毎月の利用料が割高になるので注意が必要です。

有料老人ホームの種類についてはこちら
「介護付」と「住宅型」の有料老人ホーム、どちらを選ぶ?

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まずはケアマネジャーに相談しよう

特養に申請を出してもすぐに入れないことがわかったら、まずは利用しているケアマネジャーに相談してみましょう。

在宅介護を継続するなら訪問介護やデイサービス・ショートステイの利用を提案してくれるでしょうし、少し遠くて調べがついていなかった特養や、値段の安い有料老人ホームを紹介してくれる可能性もあります。

正確な情報を得て、後悔のない選択をしましょう。

入居相談のプロが教える、
有料老人ホームの費用をお得にするコツ

家族が病気で介護を必要とするようになったり、在宅介護を継続できなくなったりするときに考 える、有料老人ホームの利用。しかし、そこで多くの方の前に “壁” となって立ちふさがるのは、「費 用」の問題です。

値段は施設によって異なりますが、数百万円の入居一時金(入居の際に支払うお金)と月額約 20 万円の施設利用料を「高い」と考える方は少なくないはず。入居する家族の貯蓄や年金でこの費 用をまかなうことができず、在宅介護を余儀なくされるケースもあるでしょう。

そこで、この無料EBookで、誰もが使える老人ホームの費用を少しでも安くする方法を解説します。 ぜひダウンロードして、老人ホーム選びの際にお役立てください。