「遠距離介護」は不安……離れた認知症の家族を支えるための3つのポイント

もし、離れて暮らす家族が認知症などで介護が必要になったら、あなたはどうしますか?

選択肢としては「実家に帰って在宅介護」「老人福祉施設」「遠距離でできる限りの介護をする」の3つが考えられます。

その中でも、仕事の関係で引っ越しが難しく、施設に入ってもらうのは抵抗がある。また、資金も足りない……。そういう方には「遠距離介護」という選択肢が残ります。

ただ、近くでお世話をする人がいないぶん、遠距離介護にはさまざまな問題がつきもの……。この記事ではとくに認知症の方を遠距離で介護する際の問題点と、遠距離介護のポイントについて解説します。

遠距離介護における問題点

pixta_23366392_M

健康状態がこまめに確認できないため、認知症の進行に気づけない

家族が近くにいなければ、やはり健康面・生活面での微妙な変化に気が付けません。病気や認知症の進行を抑えるには早期発見が重要ですが、あらゆる症状の予兆に気づくタイミングを逃してしまうことになります。すでに認知症の方でも、軽度と思って安心していたらいつの間にか進行している可能性もあります。

物忘れが見られる場合は火元の心配もしなくてはなりませんし、徘徊で事故に遭ったり行方不明になることも考えられます。認知症の進行度しだいでは、高齢者の命が脅かされることも想定されるのです。

時間と費用の負担が大きい

互いの距離が遠いほど、移動時間と交通費の負担が大きくなります。たとえば東京と九州ほど離れていれば、一度の移動で数万単位のお金が消えますし、日帰りで介護をするというのも難しいです。

本来ならば親子で過ごす時間は大切にしたいところですが、移動と介護に時間を取られ、ゆっくりと話す時間もなくなるのは寂しく悲しいことでしょう。

犯罪やトラブルに巻き込まれる恐れも

近年は多額のローンを組ませる訪問販売や振り込め詐欺の被害に遭う確率も高くなっています。

悪徳業者や詐欺犯は、事前に独居高齢者の世帯を調べたうえで、判断力や理解力の落ちた高齢者をターゲットにしているため、こういった犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性にも十分注意しなければなりません。

安心できる「遠距離介護」のための3つのポイント

それでは、離れて暮らす両親に対してはどのようなケアをおこなうのが望ましいのでしょうか?遠距離介護をおこなう場合の3つのポイントを紹介しましょう。

1.介護サービスを活用する

pixta_6238700_M

まずは、介護保険で認められた範囲内の介護サービス……デイケア・デイサービスや訪問介護サービスの活用を考えましょう。

ただし、そのときでもただ外部サービスに丸投げするのではなく、介護にあたる事業者やヘルパーと信頼関係を築きましょう。ヘルパーから来る連絡にはまめに応対し、疑問点や要望があれば積極的に連絡を入れるようにしましょう。無理難題を押し付けるのはNGですが、ヘルパーとのコミュニケーションを怠ってしまうと、本人が今置かれている生活環境などがしっかりと把握できなくなってしまう可能性もあります。

2.民間企業などによる安否確認サービスを利用する

家と電話

自治体や地元密着の企業による見守り(安否確認)サービスも、近年活発になっている動きです。センサーや電話による安否確認はもちろんのこと、食事宅配サービスやスマートフォンアプリを利用しての安否確認サービスも導入されています。

比較的高額ではあるものの防犯・救急・医療など手厚いサポートが受けられる複合サービスから、月額利用料0円のセンサーまで、家族の認知症の進行度などに合わせて選びましょう。

3.近所付き合いを大切に

pixta_13136937_M

介護サービスや安否確認サービスを利用するのももちろん必要ですが、もうひとつ、高齢者の住まいの近隣住人とコミュニケーション—— つまり、「近所付き合い」も大切です。

家族が離れて暮らしている場合、高齢者の小さな変化に一番早く気づけるのは近所の人です。あてもなく歩き回ったりと最近様子がおかしい。最近姿を見ず、新聞が溜まっている……。そのような異変が見られたらすぐに連絡を取ってもらうよう、帰省の際には近所の方と密にコミュニケーションをとっておきましょう。

もちろん、近所の方に介護を任せることはできませんが、離れている家族にとっても近くに誰かがいると考えることで安心できるでしょう。

遠距離介護に必要なものは、支え合いの輪

年老いた両親の介護については、できれば家族がそばにいて寄り添ってあげるのが理想的です。しかし、本人の意思や家庭の事情がもあるため、遠距離で介護せざるを得ない方もいます。

近所付き合いが大事だと前章で説明しましたが、地域の中で暮らす高齢者にとって、その地域に住む人たちのサポートなしで暮らしていくのは難しいものです。これは同時に、いま私たちの周囲にひとり暮らしで困っている高齢者がいる場合、その人たちを支えてあげることが大切だということを示しています。

誰かに頼るばかりではなく、時には誰かの助けになる。そうして全国各地で支え合いの輪が広げていくことが、高齢者の安全と幸せを考えるうえで大事なことです。

■参考文献・資料
『こころが軽くなる 認知症ケアのストレス対処法』松本一生著 中央法規
NPO法人パオッコ 離れて暮らす親のケアを考える会
遠距離介護の対処法(みんなの介護)

入居相談のプロが教える、
有料老人ホームの費用をお得にするコツ

家族が病気で介護を必要とするようになったり、在宅介護を継続できなくなったりするときに考 える、有料老人ホームの利用。しかし、そこで多くの方の前に “壁” となって立ちふさがるのは、「費 用」の問題です。

値段は施設によって異なりますが、数百万円の入居一時金(入居の際に支払うお金)と月額約 20 万円の施設利用料を「高い」と考える方は少なくないはず。入居する家族の貯蓄や年金でこの費 用をまかなうことができず、在宅介護を余儀なくされるケースもあるでしょう。

そこで、この無料EBookで、誰もが使える老人ホームの費用を少しでも安くする方法を解説します。 ぜひダウンロードして、老人ホーム選びの際にお役立てください。