寝たきりで起こる「廃用症候群」って何?症状や予防方法を解説!

みなさんは、寝たきりになることが原因で起こってしまう「廃用症候群」という症状をご存じでしょうか。

廃用症候群とは気づかぬうちに運動能力が衰え、自分で動くことが思うようにできなくなるだけでなく、ほかの体調不調を起こしてしまう病気のことです。

廃用症候群の患者さんの中には、体を動かせなくなることに落ち込んでしまい、心の病に陥ってしまう方もいます。この記事では、廃用症候群の原因とケアの仕方、予防法についてご紹介します。

廃用症候群とは?その症状と原因


廃用症候群の症状は、主に以下のようなものが挙げられます。

・運動能力の低下
・心肺機能の低下
・うつ状態
・逆流性食道炎
・床ずれなど

これらの症状が起こる主な原因は入院です。

入院により体を動かさない状態が続くと、運動機能や心肺機能が低下してしまいます。運動能力が低下すると動く意欲が落ち、さらに運動量が減って、体の機能が低下してしまう悪循環に陥ってしまうことも。この悪循環が続くと寝たきりになってしまう方もいらっしゃいます。

動く意欲がなくなることに加え、入院時はなにかとストレスが多いものです。このストレスが、うつ状態や逆流性食道炎を引き起こしてしまうこともあります。

廃用症候群は体を動かさなくなることで少しずつ進行する症状です。たとえば、絶対安静の状態で運動ができない状態が続くと、高齢者は2週間で足の筋肉が2割も減少するといわれています。

病気になれば安静にしていることが一般的な治療方法になりますが、廃用症候群が生じてしまった場合は、できるかぎり早めにリハビリをして体の運動能力を取り戻す必要があるのです。

廃用症候群を予防するには、とにかく体を動かすことが大切


廃用症候群を予防するためには、できるだけ体を動かすことが大切です。

安静にしているときでも「ベッドに寝たまま足首を回す」「足の指を動かす」「手足をもみほぐす」などをおこなうことで予防になります。

ほかにも、固まった筋肉をマッサージなどでほぐし、血流を促してあげることも効果的です。強くおこなう必要はなく、皮膚表面を軽く揉みほぐす程度で問題ありません。軽めの運動やヨガ、ストレッチのような「柔軟運動」も固まった筋肉をほぐしてくれるのでおすすめの方法です。

ほかにも食事による予防法として、筋肉の材料になるたんぱく質を豊富に含む食品を摂るとよいでしょう。具体的には、肉類や大豆類、乳製品などにたんぱく質が含まれます。

精神的なケアをして活動的になってもらうことも、廃用症候群の予防につながります。入院を始めた高齢者は、病気によるストレスと慣れない生活から精神的に落ち込み、自室やベッドからほとんど動かないことがあります。

体を動かさない状況が続くと廃用症候群の原因になってしまうので、高齢者の悩みを聞く、自室からの外出に誘うなどのケアをしてあげましょう。

廃用症候群のリハビリ法


廃用症候群になってしまったときは早期のリハビリが有効です。

廃用症候群のリハビリとして一番効果的な方法は体を動かすこと。リハビリの際は、「立ち上がる」「座る」「歩く」「階段を上る」などの日常的な運動を取り入れます。

ほかにも着替え、排泄など、身の回りの動作はできるだけご自身でおこなってもらいましょう。家事や趣味、社会参加などにも参加して、楽しみながら自分の体を動かす機会を増やすことが大切です。

リハビリは杖をつきながらでもよいので、毎日継続的におこないましょう。家族以外からの働き掛けとして、リハビリをおこなう作業療法士や医師などから訪問リハビリを受ける方法もありますので、通院が難しい場合は活用をおすすめします。

リハビリの際は、本人の精神的活力や意欲が無くなり、続けることが難しくなる場合もあります。その際は、本人の悩みを聞いたり、目標を立てる手助けをしたりするなど、リハビリに対して前向きな気持ちを持ってもらえるよう支援しましょう。

高齢者の運動能力を維持するために、手助けは必要最低限に


病気の療養は安静にしていることが一般的ですが、それによって肉体が衰弱しやすくなってしまい、廃用症候群にかかってしまうことがあります。

廃用症候群になってしまった場合は体を動かす機会を増やし、筋肉量を回復させて、生活に支障が出ない運動能力に戻しましょう。

高齢者になるほど運動能力の回復に時間がかかるもの。介護する方は、できる限り運動能力を維持するために着替えや家事などはご本人に動いていただき、どうしても必要なときだけ手を差し伸べる程度にとどめましょう。