つらい「床ずれ」を予防するための3つの方法

高齢者がかかりやすい病気には、「認知症」や「歩行障害」などさまざまなものがありますが、寝たきりにより起こる「床ずれ」もそのひとつ。かかってしまうと皮膚に痛みやかゆみを感じてしまいます。

「たかが床ずれ」とあなどるのは厳禁。なぜなら、床ずれは対処を怠ると皮膚が壊死してしまい、最悪の場合命に関わることもある怖い病気だからです。

床ずれは、予防とケアをこまめにしていれば比較的防ぎやすい病気。この記事では、床ずれの原因や予防の方法についてご紹介します。

痛みだけでなく敗血症につながることも~床ずれの症状と原因~

まずは床ずれの症状と原因について知っていきましょう。床ずれにかかると、以下のような症状が皮膚に現れます。

・赤み
・かゆみ
・痛み
・ただれ
・水膨れ
・内出血

床ずれは寝たきりなどが原因で、皮膚が長時間圧迫されることで引き起こされる病気です。長時間圧迫された皮膚は血液の流れが滞ってしまい、皮膚の細胞に必要な酸素や養分が十分に補給されなくなります。結果、圧迫されている皮膚の細胞が壊死してしまうのです。

症状が重くなってしまうと皮膚だけでなく皮下組織や筋肉・骨にまで影響を及ぼし、さらに傷口から細菌が入ると敗血症(細菌が血液中で増え、中毒症状から高熱や意識障害を起こしてしまう病気)になってしまうこともあります。

床ずれの予防方法① 〜体位変換〜

床ずれを予防するには、こまめに姿勢を変えてあげる「体位変換」が効果的です。

高齢者は寝たきりになると筋力が衰え、寝返りを打てなくなってしまうことがあります。寝返りが打てなくなるとお尻や肩など体の一部に体重がかかり続け、床ずれの原因になってしまうので、定期的に体位(姿勢)を変えてあげましょう。

体位変換は約2時間に1回おこない、できれば「仰向け⇒右向き⇒左向き」と体位を変えてあげます。

体位変換のときには必ず高齢者に声かけを行い、体位を変えることを伝えましょう。無理をして体位を変えると、高齢者の体にダメージを与えてしまうほか、介護する側も腕のすじや腰を痛めてしまうことがあります。

体位変換中は、痛いところはないか、不快感を感じていないかなど高齢者の声をよく聞きながらおこないましょう。

◆仰向けから右向きにするとき
①高齢者から見て右横に立つ
②高齢者の頭を少し浮かせて、枕を5〜10cmほど手前に引き寄せる
③そのまま顔を右に向け、枕に乗せる
④高齢者の右腕を天井に向けて上げる
⑤高齢者の左腕は胸の上に乗せる
⑥高齢者の左膝を立て、左かかとをできるだけお尻に近づける
⑦高齢者の肩と腰を手で支え、腰⇒肩の順番で手前に倒す
⑧背中にクッションなどを当てて姿勢を安定させ、高齢者の姿勢を楽にしてあげる
※左向きにする場合は、左右を逆にしておこなってください

◆(高齢者から見て)右向きから仰向けにするとき
①高齢者の右横に立つ
②高齢者に当てているクッションなどを外す
③高齢者の肩と腰に手を当て、奥側にゆっくり体を傾けて仰向けにする

体位変換を行うだけでなく、寝たきりの程度や介護される人の体型に合わせた寝具を選ぶことで、より効果的に床ずれを予防できます。

たとえば、在宅で介護をされている方は、介護保険を使えば床ずれに効果的なエアーマットレスなどを安価に借りることができるので、導入を検討してみましょう。

床ずれの予防方法② 〜摩擦ずれの対処方法〜

Asian Elderly/ Senior Lifestyle

寝たきりの高齢者は、シーツやパジャマなどに起こる少しのよれでも床ずれを起こしてしまうことがあります。これが「摩擦ずれ」と呼ばれるもので、床ずれの原因のひとつです。

摩擦ずれは体位を変えるときに起こりやすいと言われています。体位変換やベッドから車椅子に移ってもらうときは、体を引きずらず体を浮かせながらおこないましょう。

高齢者を車椅子に乗せるときは、浅く座らせてしまうと少しずつ下のほうにずれていってしまいます。これも摩擦ずれの原因になってしまいますので、深く腰掛けられるよう介助しましょう。

可動式ベッドで背もたれを上げるときにも注意が必要です。背中と腰の間に隙間が生じることで高齢者の体が下にずれ、摩擦ずれが起きてしまいます。背もたれを上げたら高齢者の腰をベッドに寄せ、深く腰掛けられるようにしてあげましょう。

床ずれの予防方法③ 〜スキンケア〜

床ずれを防ぐためには、皮膚を清潔に保つことが大切です。入浴や体の拭き取りを丁寧におこなったり、こまめにおむつを交換したりすることで介護者の皮膚を清潔に保ちましょう。

おむつを装着している場合は、発汗や失禁によっておむつの中が蒸れ、皮膚が柔らかくなって摩擦ずれになりやすくなります。蒸れによる摩擦ずれは、こまめに湿り気を拭き取ることで防ぐことができます。一方で、冬場などに皮膚が乾燥しすぎてしまう場合も同様に床ずれが生じやすくなるため、クリームなどで保湿を行いましょう。

毎日のケアが大切だから、助け合いながら続けましょう

床ずれは一度かかってしまうとなかなか治りづらい病気です。事前の予防が肝心なので、体位変換をはじめ皮膚を清潔に保ってあげましょう。

毎日こまめに行わなければいけない床ずれの予防ですが、まめに行う必要があるので、介護する側に疲れが出てしまうこともあります。

介護は毎日続くものです。時には介護サービスを利用したり、親族に助けてもらったり、助け合いながら進めていくことも選択肢に入れてみてください。