その認知症はまだ防げる! 「軽度認知障害」(MCI)っていったい何?

高齢の家族と一緒に暮らしていると、日常生活のあらゆる側面で、高齢者の行動や発言に思わず首をひねってしまう瞬間が出てくることもあるでしょう。たとえば、いつも観ているテレビに出てくるタレントや総理大臣の名前が出てこなかったり、息子と孫の名前を言い間違えたり……。

こういう言動が見られると、「年をとったから仕方ないね……」と笑って済ませている方もいることでしょう。

これらの症状がエスカレートして認知症になると、コンロの火を点けたまま忘れてしまったり、自宅の場所がわからず外出したまま行方不明になってしまったりと、大事故につながる恐れも出てきます。

今回は、ちょっとした物忘れ、そして認知症になる前段階である「軽度認知障害」について、そのリスクや検査方法なども含め解説していきます。

軽度認知障害高齢者の約半分がそのまま認知症になってしまう

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軽度認知障害で見られる症状

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日常生活で行動以上は見られないものの、認知機能が阻害されている症状が現れます。

軽度の記憶障害や見当識障害が見られるようになる、認知症一歩手前の状態を「軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)」と呼びます。日常生活はおおよそ問題なく過ごせるものの、軽度な記憶障害など認知機能に障害が出ている方を指します。

記憶障害のあるタイプと、そのほかの認知機能(「言語」「遂行機能」「視空間機能」)に障害が出るタイプに分けられ、それぞれさらに複数の領域に症状がまたがるかどうかでさらに分けられます。4タイプでなりやすい認知症が異なりますので、以下で確認しましょう。


「記憶障害」のみの場合:アルツハイマー型認知症
「記憶障害」があり、複数の認知機能に障害がある場合:アルツハイマー型認知症、脳血管性型認知症
「記憶障害」がなく、ひとつの認知機能に障害がある場合:前頭側頭型認知症
「記憶障害」がなく、複数の認知機能に障害がある場合:レビー小体型認知症、脳血管性型認知症

軽度認知障害高齢者の約半分がそのまま認知症になってしまう

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軽度認知障害は、放置しておくと症状が悪化する可能性が非常に高く、軽度認知障害と診断された高齢者のうち、約半分が認知症に発展します。

しかし一方で、認知機能が正常化する“リバート”も少なくないとされており、年間で10%〜40%は認知機能を取りもどすといわれます。そのため、早期発見・早期治療が重要です。記憶障害など認知症の症状が少しでも見られた場合は、専門医にいち早く相談しましょう。

認知症は不治の病と言われますが、まだ取り返しがつく可能性があるのです。

市販のチェックツールの登場で、気兼ねなく検査ができるように

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軽度認知障害になったかどうかの判断は、病院での診察と検査を受けてみなければわかりません。そのため、かかりつけ医がいる場合、まずはその病院の医師に相談してみましょう。そこで、より詳細な検査が必要と判断された場合、脳神経外科や「もの忘れ外来」と呼ばれる、認知症を専門に診る医師のいる比較的大規模な病院を紹介されることになります。

病院では、CTやMRIでの画像診断、血液採取による検体検査などを使って検査をおこないます。これによって軽度認知障害の予兆を早い段階で見つけられるのです。

また、認知症のチェックツールとして、「長谷川式簡易知能評価スケール」などの記憶力や認知機能にかかわるテストも実施しています。「長谷川式簡易知能評価スケール」では、本人の生年月日に確認や簡単な計算式、単語の記憶などの問題で正答率、認知・記憶障害のレベルを測ります。

また、最近では、精度の高い軽度認知障害チェックツールとして、「あたまの健康チェック 簡易認知機能確認スケール」というサービスも登場しました。サービス利用のためには、まずインターネットで専用のカードを購入。利用者(高齢者)はカードに記載されている連絡先(フリーダイヤル)に電話をし、10分程度の検査を受けるという流れです。検査結果は後日郵送されます。

この「あたまの健康チェック」は、一般的な認知機能を評価するツールであり、病院での診断とは異なるものです。3,500円(税別)で購入できます。認知症への理解を深めてもらえるかもしれません。

終わりに ~早期発見、早期の受診が最大の予防策

加齢とともに訪れる軽度認知障害は、気を付けていてもなかなか防げるものではありません。しかし軽度認知障害とわかった時点で、早急に医療機関を受診し検査を受けることが、次のステージである認知症の予防につながるでしょう。

認知症は完治が極めて困難な病気ですが、現在では薬によって認知症の発症を大幅に遅らせることが可能となりました。心身ともに健康で、周囲の手を借りずに末永く暮らしていくために、少しでも異変を感じたら、まずは専門医の診察を受けることが重要です。

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