万引きは認知症のサインかも!?前頭側頭型認知症について詳しく解説

高齢化社会の現代、「認知症」への関心も非常に高くなってきています。その認知症にもいくつか種類があり、「前頭側頭型認知症」は、とくに言葉に関係する脳部位に影響する認知症です。

この認知症はほかの認知症と比べて気づきにくいため、注意が必要です。

「同じ言葉を意味もなく繰り返す」「話していることがわかっていない気がする」……家族にそのような傾向が見られる方は、この記事で学んでいきましょう。

前頭側頭型認知症は若いうちから発症し、人間らしさを奪う

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前頭側頭型認知症とは、神経に異常が生じてしまう認知症のひとつで、とくに脳の「前頭葉」や「側頭葉前方」の萎縮が生じるために起こります。

この部位は、「言葉を発すること」や「理解すること」に関係しています。そのため、この部位に障害が現れることで、感情をコントロールしたり、理性的な行動ができなくなったり、計画を立てたり、状況を把握する機能が少しずつ失われていくのです。その人の「人間らしさ」が失われてしまうという言い方もできます。

また、前頭側頭型認知症は若年性認知症といい、若い人でも発症する認知症です。50~60歳代に発症しやすく、緩やかに症状が進行していきます。進行するにつれて徐々に活動能力が低下していき、最終的には寝たきりとなってしまうケースもあります。

前頭側頭型認知症の症状

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常同行動

【症状】
決まった行動をとるようになります。家の中を歩きだしたり、机の上をたたき出したり、足をバタバタさせたりといった行動が見られます。外へ出て同じ道をぐるぐる回って帰ってくる事もありますが、徘徊とは違って迷子になってしまう事はなくしっかりと家に戻ってきます。

【対処法】
毎日同じ行動をとる高齢者に対して不安になる気持ちもわかりますが、強引に止めてしまうと急に激怒し暴力を振るったり反社会的な行動を起こしかねません。できる限り本人の意思に任せて自由にさせてあげましょう。また、デイサービスなどの外出を時刻表的行動のなかにうまく取り入れられれば、介護の負担を減らすことも可能です。

異食

【症状】
さまざまな食行動の異常が見られます。同じメニューばかりを食べたがったり、異常に濃い味つけを好むようになったり……。机の上に置いておいた砂糖を全部食べてしまったという症例もあります。食欲も異常に旺盛になり、深夜に冷蔵庫の中から食べあさることも。

【対処法】
意味もなく食事を続けてしまうことを防ぐため、テーブルに食べ物を置かないようにしましょう。戸棚や冷蔵庫をあさる事もあるので外から鍵を付けてロックするのも有効です。

急激な感情変化

【症状】
感情の変化が乏しくなったり、あるいは突然ニコニコしたり不機嫌になったりと落ち着きません。
また、周りの環境や音、ものに影響されやすいので、いきなり怒りっぽくなってしまうこともあります。
【対処法】
イライラしている原因を探り、場所を変えてあげたりする工夫をしましょう。こちらまでつられて感情的にならないことが大切です。笑顔で接するようにしましょう。

反社会的な行動

【症状】
万引きや痴漢など、社会のルールから外れるような行動を平気でするようになります。信号無視などもしてしまい、命の危険にさらされることもあります。

前頭側頭型認知症は、ほかの認知症と違って物忘れはあまり見られません。その代わり、上記のように一般的な行動から外れるような事をする場合が多いために、精神疾患と間違われて診察されてしまう事も少なくありません。

【対処法】
専門機関と相談をするようにしてみましょう。万引き、痴漢、いきなりの暴力など、本人が悪いことだと理解せずに起こしていることもあるため、そこに注意喚起してもあまり効果はありません。

外に出るときにはできる限り付き添うとよいですが、毎日は難しいでしょう。そういうときは、デイサービスなどの利用も検討しましょう。

また、繰り返し同じお店で万引きしている場合には、お店に事情を話して、先にお金をいくらか預けるか、後でまとめてお金を支払うなどの対策をとってもよいでしょう。

前頭側頭型認知症の進行と治療

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前頭側頭型認知症は進行がゆっくりなので診断が遅れ、気がついたら重度になっていることがあります。

アルツハイマー病などほかの認知症と比べると、患者数が少なく、原因もまだあまりよくわかっていないため有効な薬はありません。

進行をできる限り遅らせるには、脳に刺激を与えることが大切です。そのため、反社会的な言動をとるからといって、家にこもりっきりにするのはよくありません。一緒に付き添って歩いて、普段見ない景色を見せて刺激を与えましょう。

食事もバランスよく、いろんな味や匂いを感じられるものを用意するようにしてください。

ストレスを相手にぶつけないよう、注意する

前頭側頭型認知症では反社会的行動や常同行動など常識はずれの行動が見られ、不安やストレスを感じることも多いでしょう。

ただし、そのストレスをそのまま相手にぶつけてしまっては悪循環を生むだけです。極力笑顔で接し、不安・ストレスは専門機関や頼れる周りの人間に相談するようにしましょう。